daddy_pipecut



669: ■忍法帖【Lv=0,作成中..】 2016/01/29(金)11:37:31 ID:MeU
今から30年ほど前の話。

その当時高一だった俺は毎日いじめられていた。
偏差値55-56程度の中堅公立高校で、教室に「勉強しない俺らカッケー」って雰囲気が蔓延していたクラスなのに、一人真面目に勉強している俺が気に食わなかったんだろう。

その当時のクラスのヒエラルキー上位にいたOとTは何かにつけ俺を目の敵にして、飛び蹴りかましたり小突いたりしてきた。
ラグビー部で体も大きいOとリア充でバスケ部のTに対して、ガリで帰宅部の俺では敵うはずもなく、苛められる毎日だった。
たまにクラスの女子が
「俺君、ここ教えて。」
って勉強聞きにきていたのがさらに気に食わなかったようで、男子だけの教科(体育)とかだと露骨な嫌がらせをされ続けていた。





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そうした日々が1年続いたが、2年に上がる段階で俺は理系に進み、OとTは文系に進んだ。
理系のクラスは大学進学を真面目に考えている連中が中心で、2年の段階で学年でもトップクラスの成績になっていた俺は勉強を周りの皆に教えてたから、クラスで俺を苛めるやつなんかいなかった。
ただ休み時間に廊下とかで俺を見つけたOとTは
「よう、俺くーん。ひさしぶりー」
とか言いながら小突きにきていた。理系のクラスの女子に白い目で見られるようになり、あんまりこなくなったが。

うちの高校の文系のレベルではごく一部を除いて大学進学とかとてもできないのが現実で、文系の大部分は高校生活エンジョイ組というのが実情だった。
OとTもそういう雰囲気で高校2-3年の生活を楽しく送ってたと思う。

俺としては正直
「もう苛められなくなってよかった」
というのが本音だった。
俺はひたすら勉強をがんばっていた。
各教科の先生に恵まれたというのもあり、自分で言うのもなんだが、ウチの高校からでは無理そうな上のレベルの大学狙えるんじゃね?というところまできていた。




670: ■忍法帖【Lv=1,おどるほうせき,8YL】 2016/01/29(金)11:38:29 ID:MeU
時が過ぎ大学受験の頃になると、もう俺は学力的には学校の先生より賢くなっていた。
中卒で学歴のない父で安月給に苦労した母は
「食いっぱぐれない資格を取りなさい」
と日々俺に言っていたので俺は国立医学部を目指すことにした。

担任の先生からは
「国立医学部wwwおまえなんか絶対無理!!!」
と日々ディスられていたw

しかし俺は現役で県外の某国立医学部に合格した。
うちの高校からでは6年ぶりの快挙だった。
担任の先生に
「合格しました、ありがとうございました」
と言いに行ったときの担任の顔は今でも覚えているw
まさに
「」
っていう顔だった。



671: ■忍法帖【Lv=1,おどるほうせき,8YL】 2016/01/29(金)11:40:35 ID:MeU
大学6年間を無事終え、医師国家試験を合格して県外の医局に入局し、医師としての生活が始まった。
結婚して子供にも恵まれ高校卒業より10年以上たったある日、母より
「高校の同窓会の葉書がきてるよ」
と連絡があった。

仕事の調整がついたので久しぶりに帰省し同窓会に参加してみた。
ホテルの宴会場であったんだが、理系の仲間たちも皆元気そうで昔話に花が咲いた。
そのうち宴も進み各クラス毎に壇上にあがり、今何しているか話すことになった。
俺の理系クラスも皆壇上に上がり、俺の番になった。
「○○医学部を卒業し、医師として△△病院で働いています」
って言うと
「オオッ!」
って会場にどよめきがおこったのは覚えている。

その後文系のクラスが壇上に上がって現状を話すことになった。
そこにOとTもいた。
高校卒業して正直もう20年以上たっていたが、日々苛められていた頃がフラッシュバックした。
OとTを見るだけでもかなり不愉快だったんだが、OもTも高卒で就職して苦労しているらしかく、今の仕事ことはあまり言わなかった。

壇上で
「俺らの人徳のおかげでこの同窓会の出席率があがったんだよ」
って言ってるのを見て、
「そんなことしか言えないんだろうなあ」
と悲しいような虚しいような不思議な気分だった。

そのうち宴会も終わり気の会う連中と二次会に行くことになった。
宴会場をでて友達とエレベータに乗ると先に二人乗っていた。
「すいませーん」
って言って乗った後気づいたのだがその二人というのはOとTだった。

それまで酔っ払ってエレベータ内で大声で話していたOとTは俺の顔を一瞬だけ見て無言になった。
その後は目も合わさなかった。
高校のときはわざわざ廊下の端から走ってきてとび蹴りかましにきていた連中が、今はこんなに近くにいるのに直立不動で知らん振りをして無言でいるのを見て、なんか可笑しくなった。

「O君、T君いま何してるのー」
て煽ってやろうかと一瞬思ったが、目も合わさず無言でいる二人を見て
「この状況が全てを物語っているよな」
って思って何も言わず、エレベータをお互い出てそれぞれの二次会に向かっていった。


という話を今年の正月にかーちゃんにしたら
「苛められていたこととかぜんぜん知らなかった」
「あたしが『資格のある仕事を目指しなさい』って言ったの?」(覚えてないんかいw)
とかいろいろ可笑しかったのでインフルで今日休みで暇な俺が書いてみた。






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