daddy_pipecut


117 :名無しさん@家庭ちゃんねる:2017/12/16 (土) 15:05:52

因果応報と言えるか分からんが、吐き出させて欲しい。
あと長い。


小学生に上がる頃まで住んでいた所に、A家と言う金持ちが居た。
対する俺の家は貧乏。
ただ、子供の頃はそんなこと関係なくA家の長男とその妹(以後、A子。同い年くらい)と仲良くしてた(ハズ)。





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やがて、俺らは遠くに引っ越してしまい、その後はA家の子らと遊ぶことはなくなった。

ただ、そこには祖父母の家があったので盆とかには訪れたが、祖父母の家との距離は遠く、子供が気軽に訪れる事はできなかったので、A家の子らとは結局は会えずじまいだった。

俺的には良い思い出しかなかったので、
(二人とも元気かな)
とか訪れる度に懐かしんでいた。




118 :名無しさん@家庭ちゃんねる:2017/12/16 (土) 15:06:36

それが壊れたのは俺が中学に上がった時だった。

夏休み、祖父母の家にいたらいきなり親父に叩き起こされ、連れ出された。
最初は遊びに連れて行ってくれると思っていたのだが、着いた所はA家。
俺的には「二人に会える」と一瞬喜んだものの、
待っていたのはとんでもない重労働だった。

暫くしてA家の長男が帰ってきたので俺は親しげに挨拶したものの、向こうは微妙な顔を返した上に無視しただけ。
(俺のことを覚えていないのか)
と思ったが、次に友達連れて帰ってきたA子に挨拶したら、
「知り合い?」
と聞いた友達に全力で否定していたのを聞いて、凄く悲しくなった。
と言うか、その時の雰囲気で流石に俺も現状に気付いてしまった。

その後も夏休み期間中、時折A家に連れ出されて雑用を手伝わされた。
一度キレて
「何でこんな事しなきゃならねーんだよ!」
と親父に言ったが、
「黙って働け」
ってドナられただけだった。

それ以降、親父に反感を持った俺は夏休み空けには部活に入り、次の夏休みとかはそれを理由にA家に行くのは全力で拒否した。

その後、高校生になった頃に祖父母が相次ぎ他界。
家は売り払われ、残っていた親戚連中もその土地から次々と離れてしまい、以降は完全にA家との関わりは無くなった。
“貧乏は惨めだ” という事が骨身に染みた俺はと言うと、タヒぬほど努力して三十代になる頃にはそれなりに裕福になっていた。


119 :名無しさん@家庭ちゃんねる:2017/12/16 (土) 15:09:13

で、ある日のこと。
店に入ったら妙に着飾った若作りの女が親しげに俺に近づいてきた。
全く覚えのない相手だったのだが、関係する会社の奥様かと思って話を聞いていた。
その内にその女がA子である事に気がついた。

俺はこれまでの事があったので敢えて知らないふりをして生返事だけ返していたら、A子がとんでもない事を言い出した。
「(俺)君って今すごいんだって?
(俺)君のところなら内の旦那と兄を雇わせてもいい。
勿論、高待遇で。
あ、私も秘書くらいならやっても良い。
でも、子供がいて忙しいから休み多めで」

途中から会話が頭に入らなかったが、だいたいこんな感じの事を言っていたと思う。
言葉尻から“生活が苦しいんです”的な事も伺えたのだが、キチ臭も凄かったので
「急いでいるんで」
と言って逃げた。

と言うか、都合の良い時だけ知り合い面しても遅いんだよ。

後で知ったことなのだが、A家は色々あって多額の借金を背負って大変な事になっているらしい。
しかも今までの態度のせいで誰も助けてくれず、加えて金持ち気質が抜けずに上記の様に雇われてやる態度で余計に無視されているのだとか。


ただ今になって怖くなってきたのは…。
俺が住んでいる所はA家とは縁も所縁も無いところであり、特に住みやすい訳でもないので、連中が引っ越してくるとも思えない所。
更には、買い物に行った店は地元でも知っている人しか来ないような店で、ましてやオシャレして行く様なところでも無いんだ。
それに、俺は分からなかったのにA子の方は明らかにこっちを知って近づいた感じだった。
(もしかして待ち伏せされていたのだろうか……)
とちょっと不安。





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